2021/03/22

随分と日記が書けなかった。

しばらくストレスフルに働いていた。

 

夏には彼が前妻の三回忌に向かう。

彼も正直なので、「新幹線で駅についた時からきつい」「彼女の地元の市には2人で行った思い出の場所がそこここにあるので、楽しいことを思い出して辛い」「前回はかなり泣いて、彼女のことを考えて安いコーヒーショップで数時間ほうけていた」と共有を受けた。

この感覚はなんだろうとしばらく考えていたのだけれど、ああこれはわざわざ「未練たっぷりなんだ。でもきちんとお別れをしてこようと思っているから許してくれ。そうしたら君だけ好きになれるかもしれない」と非常にあいまいな宣言をした末に前の恋人とデートされるのが近いのかなと結論づける。こう書くと彼が随分嫌な男に見える。結婚はやめるべきなのかもしれない。

 

先のことだが、私は私を甘やかして傷つかないよう対策を練る必要がある。

1人で仕事をしながら待つのも良いかもしれないが、そわそわとするだろう。

アウトレットに買い物をしに行っても良いと浮かれていたが、その時に買ったものに嫌な思い出がついて回るし、目にするたびに私が思い出したり、その上言及したりして、彼も嫌な気持ちになるだろう。

私も「あなたのことを愛していたので、まだちっとも乗り越えられない」と話して泣いた元の男に会いに行くこともできるが、弱り方によってはセックスしてしまう。そうしたら今度こそ愛の流刑地だ。そもそも、結婚したばかりなのに他の男とセックスしている場合ではない。

彼が行く先なら私も転勤で住んでいたことがあるし親友である男友達と飲んでベラベラになろうかとも考えたが、さすがに愛する前妻の三回忌で落ち込んでいる時に新妻が男と飲んで泥酔しているのを目の当たりにするのは彼にとって今後の生活に対する不安や後悔のきっかけになりかねない。

ひとりで旅行に行ってもさびしい。だったらやるべきことがあるし出勤をして、残業をして、お金を稼いだほうがマシだ。

なんなら、上記の仕事以外の選択肢を取って「よかった、僕がいない間たのしいだろうし大丈夫そうだ」と思われるのも癪だ。

まったく大丈夫ではない。私は、まったく大丈夫なんかではない。

彼は自分だけが、自分ばかりが辛いのだと言わんばかりに前の結婚の話をする。頭が悪いことに私が聞くからだ。彼が話をするたびに、もともと自分の女性としての価値が見出せない私は、自分は埋め合わせの2番目の女だと被害妄想をたくましくする。頭ではわかっていても、心が彼の話してくれることに追いつかない。

彼はすっかり見落としているが、法事で辛いのは彼だけではない。私だって辛い。来たる日は私にとって「ああ、付き合う時に私は嘘をつかれていたんだ。私なんてその程度なんだ」と考えながら「ごめんねなんて言わないで。最後の法事なんだし」と彼の前でにこにことする日でもある。彼の不在中は「今頃楽しい思い出とかたくさん思い出したり、遺影見て胸をときめかせたりしてるのかな。結婚は、私じゃなくて良かったのかもな。なんなら、彼女がベストだったのだろう」と自分の存在に対する疑問を感じ、平気なのよという顔をして帰宅する彼を出迎える日でもある。

 

週末ずっとこのことを考えていた。

仕事のことも相まってストレスフルだったのか不正出血したので自宅に帰ってきた。天気や生理不順と重なって(精神的な意味で)気分が悪く、彼と話す気にならず寝たふりをして未読スルーしたほどだ。

こころが狭くてごめんね、ともおもうけれど、私は今耐えられない。彼のことを忘れてラジオを聞きながら漫画を読みながらゴロゴロさせてほしい。

 

今結構苦しいのだけれど、これは以前破廉恥で不純な事ばかりしていた罰なのだろうか。